上場準備とともに Salesforce 環境をリプレイス。
独自ツールを開発、生産性が格段に向上。
- 社名
- タイグロンパートナーズ株式会社
- 業種
- 人材紹介業
- 従業員数
- 40名
- URL
- tiglon-partners.com
株式会社リフトオフ
代表取締役 五十畑 光二
タイグロンパートナーズ株式会社
エグゼクティブコンサルタント 上田 浩彰
東京都港区虎ノ門にて、ハイクラス向けの人材紹介業を営むタイグロンパートナーズ株式会社。同社は上場を視野に入れ、金融業界やコンサルティングファーム、また、CxO 求人を取り扱うなど、一部のターゲットに特化したハイクラス向けエグゼクティブサーチ業を展開しています。
創業初期から Salesforce などの IT ツールを活用し、業務の効率化を図っていましたが、結果として形だけの IT 化に陥り、Salesforce タイグロンパートナーズ様では、転職を支援する営業担当者をコンサルタントと呼び、単なる企業マッチングを行うのではなく、転職希望者の過去のキャリアや今後のキャリアビジョンにあわせ、将来も見据えたキャリアコンサルティングを実施しています。また、転職希望者が現れたら企業に紹介するという受け身の姿勢だけでなく、クライアント企業から指定された人材を、市場からのヘッドハントによって、依頼企業の空きポジションを補填する役割も担っています。
こうしたミッションをもとに、大手クライアント企業から発生する大量の求人情報を適切に取り扱い、多くのプロフェッショナル人材の転職を支援するタイグロンパートナーズ様では、上場を視野にいれた発展的なデジタルマーケティングや広範囲な DX 戦略を実現するべく、当社にご依頼いただきました。
取り組みの範囲はマーケティング戦略支援を皮切りに、Salesforce の再構築やコンサルティング、また、ホームページや顧客マイページの開発、保守、運用、各種システム連携における DX コンサルティングなど、多岐にわたる依頼をいただいております。
ハイレベルなコンサルティングと泥臭いオペレーションがセット
今回は、タイグロンパートナーズさんで、現役のコンサルタントであり、DX 推進を担っていらっしゃる上田さんにお話をお伺いしたいと思います。上田さんよろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
上田さんは過去に勤められていた企業でも積極的に IT を活用されてきたと思いますが、タイグロンパートナーズさんの DX の取り組みについて、どのように考えてこられたのでしょうか?
私はこれまで、商社やコンサルティングファーム、前職の人材会社を経験する中で、IT への関わりが多い方でした。当社へ転職する際は、その実績や体制に大きな魅力を持っていましたが、DX を促進することで、さらなる成長ができると確信し、大きなポテンシャルを感じていました。
良い DX 戦略が実行されたら、さらなる実績をあげられると考えられたのですね。 では、タイグロンパートナーズさんとして、実際に取り組んできた内容について詳しく教えていただけますでしょうか。
リフトオフさんには、多くのご依頼をさせていただきましたが、Salesforce の再構築やデータの定量化からはじまり、求人の一括自動取り込みと公開機能、転職希望者用マイページなどの開発を依頼しました。
ありがとうございます。それぞれについて詳細に教えていただけますでしょうか。
まず、Salesforce の再構築ですが、これまで当社は Salesforce の標準から一部外れた運用を行っていました。そのため、一般的に管理したい情報や履歴を適切に管理したりレポートでスムーズに表現することが叶わない場面が頻繁にありました(その都度、改修コストや時間のロスが生じていました)。のちに実装した求人一括取り込み機能やその他の機能要件から考えても、ベース(Salesforce の基本構成)の修正が急務となっていました。
また、当社は数多くのクライアント企業から膨大な求人をお預かりしています。大手企業になれば、1社で500以上の求人が存在することも稀ではありません。ですが、これらの求人を手作業で自社ホームページに掲載するには、いくら人手があっても足りません。幸いクライアント企業側でも IT 化が進んでおり、紙や Excel ではなく、適切なデータを共有いただくことが多かったため、これらの自動化が行えないかと相談しました。
転職希望者用のマイページは、転職希望者におすすめした求人や選考状況が一括で確認できる、コンシューマ向けのサービスサイトになります。このシステムがない場合、転職希望者とはメールや電話ベースの連絡が一般的となり、確認漏れの対策などを含むと膨大なコミュニケーションコストが発生していました。また、転職希望者と企業の面接後アンケートの回収には時間的コストが発生していたり、ナレッジ蓄積のためにデータベースへ漏れなく反映させる点にも時間がかかっていました。
短期間で本当に多くの開発をご依頼いただきありがとうございます。上田さんの熱烈なコミットがあったからこその実現でした。改めてありがとうございます。なぜここまで多くのご依頼を一括して当社にしていただけたのでしょうか?
初対面時にこちらの施策意図を予め理解されていて、提案の幅も広く経験値の高さを感じました。
前職時代も含めて、これまでこういったプロジェクトマネジメントを何度も行ってきました。また、発注先もこの業界では有名な大手企業から中堅どころまで、様々な企業へ依頼してきました。ですが、そのほとんどが、業界への知見も低く業務理解も浅いため、提案という提案はなく、依頼したことしかやってくれないという状態でした。ストレートに言えば、言ったことすらやってもらえない場合もほとんどで、要件定義も大部分をこちらで行うという状態でした。ある程度の説明はこちらですべきことは承知しておりましたが、あまりに時間と労力がかかっており、これでこの金額かと正直不満が大きかったです。
そうだったんですね。確かに一般的な開発会社の場合、ビジネスの根幹や施策意図を明確に汲み取れる会社さんは少ないのかもしれませんね。きちんと狙いを理解し、各施策に反映できたようで嬉しく思います。
リフトオフさんでは、初めは小さなプロジェクトから始まった取り組みも、一つ一つの開発の中で、自社では気づかなかった視点でアドバイスをいただいたり、経営視点でコンサルティング提案をいただける点には助かりました。こちらの依頼をそのまま受け入れるのではなく、経営目線の判断を加えて最終的な結論を一緒に出してくださる点が心強いです。時には判断軸の中に、客観性だけでなく、私たちにとっての主観を加えていただけるのは、ハイレベルなコンサルティングであると感じています。体制上、いたしかたなく理想から離れなければいけない際もきちんと寄り添っていただけるのは進めやすかったです。
また、どうしてもリフトオフさんには依頼できず、社内のメンバーで行わなければいけない業務レベルの作業や判断についても、極力現場のメンバーが取り組みやすいような粒度まで噛み砕くご支援をいただいたり、全社ミーティングでは先頭に立って説明の実施をいただくなど、中小企業に必要な泥臭いアクションにも感謝しております。事前打ち合わせもなく、全社ミーティングに登壇させてしまったこともあったくらいですね、失礼しました(笑)
前に呼んでいただいた時は驚きましたが楽しい思い出ですね(笑)
こういった IT の取り組みは、全社に定着しなくては意味がないと思っています。そういう意味では、皆さんの主観が大切な場面も多くあると感じています。理想と現状の差分をうまく埋めることも私たちの役割だと認識しています。
上場を見据えた組織力の向上に大きく前進
タイグロンパートナーズさんでは、上場を視野に様々な動きがあるとのことですが、DX の推進もその取り組みの1つなのでしょうか。
そうですね。Salesforce を導入したのは私の入社以前より大分前だったようで、相当量のデータは溜まっておりました。しかしどちらかというと、コンサルタントごとに個人で管理してたという色が強く、組織全体での活用度は低い印象でした。特にマーケティングに情報資産を活かそうとすると、工夫がなければ叶いませんでした。これまでは、コンサルタントごとに担当領域が明確だったため、サービスとしてのパフォーマンスには全く影響がありませんでしたが、今後上場を見据えて、対外的にも全社の売上をコミットし事業成長を目論むと、コンサルタントの増員やマーケティングチームの設置など、社内でデータを共有し合う場面が増えてきました。
また、当社では4年連続で新卒採用を行うなど、次世代メンバーの育成にも積極的です。コンサルタントには、リサーチャーと呼ばれるアシスタントやその他にも業務支援をする担当者が付き、チーム単位で基本業務をこなしています。上場を見据え、こういった体制を拡大し続けようと考えると、一定以上の仕組み化が求められていました。
外部に向けて目標売上を設定し組織戦略や売上計画を達成するために、DX 戦略が不可欠だったわけですね。複数のシステム導入や再構築を遂げて、会社全体の動きはスムーズになりましたか?
はい、格段によくなりました。まだまだ課題はありますが、大きな穴は塞がり次のステップへ確実に前進しています。私が入社したタイミングでは、マーケティングに本腰を入れていこうというフェーズでした。しかし、情報資産を有効に活躍するためには、既存のデータをシステム的に扱える形式に変更したり、それらの要件定義が必要でした。また、過去の数万件のデータを再フォーマットするなど、人の手が必要な泥臭い業務も多くありました。ですが昨年、ご支援のおかげもあり、このような作業を終え環境を整えたことで、検索性能が向上したり、細かいセグメントの特定がスムーズに行えるようになりました。
人員が大幅に増える前に組織を仕組み化しておくという観点に私も共感していました。売上を伸ばそうとすると、どうしてもマーケティング一辺倒になりがちですが、まずは穴を塞ぎ、土台の生産性を高めておくという観点は大切ですね。
仰るとおりですね。ここ最近でも即戦力メンバーや新卒の入社がありましたが、体系化された仕組み(システム)があることで、キャッチアップのスピードも早くなっています。また、マニュアルの整備が行いやすく、教育スピードも向上しているように感じています。 さらに、Salesforce のオブジェクトや項目、それぞれの意味や用途が明確になったため、レポートを活用したパフォーマンス分析にも役立っています。 これまで個人の力で実績を上げていたコンサルタントも、チーム単位でのアクションが取りやすくなり、組織が本格的にアップデートしていく、大きなけっかけとなりました。
顧客とのコミュニケーションコストが格段に下がった
Salesforce のデータ活用以外に、構築したサイトやシステムはビジネスの生産性に直結していますか?
はい、生産性は上がっています。 求人の自動取り込み・公開機能に関して、これまで新規の取り扱いは 毎月 50 件前後だったのに対して、今では以前より少ないよりリソースで毎月 500 件以上 扱えるようになっています。求人数が増える分、打てるマーケティング施策は増えますし、収益効果にも直結しています。最近リリースした、転職希望者用のマイページではコミュニケーションコストが大きく改善されています。
コミュニケーションコストが改善されたとのことですが、どのように変化したのでしょうか?
これまで、初めての転職希望者と面談した際には、ご希望の条件に類する求人を手動でメールに書き込み、手動で送付していました。それらの反応(対応)もメールや電話で行っていました。また、企業との面接が設定されると、日程等の連絡や面接後の感想なども全てメールや電話で行っていました。対応する人数が少ないうちは問題ではありませんが、1人のコンサルタントで何名もの転職希望者を対応しているので、次第に管理が複雑になっていきます。また、絶対にミスをしてはいけない業務になりますので、確認作業にも手間を取られていました。
ですが今は、自動で作成された求人を Salesforce 上でポチポチと登録すれば、一括して自動で求人案内メールが送信されます。転職希望者は受信したメールから、自身のアカウントにログインすれば、マイページから「詳しく聞きたい」「応募したい」など、ご自身の意思表示をすることが可能です。面接が設定された際には Salesforce へ登録するだけで、候補者はマイページから閲覧可能です。面接後には自動でアンケートメールが送信されるため、企業への印象や改めての志望度などをコンサルタントに報告できます。つまりコンサルタントは、 Salesforce だけを見ていれば、すべての情報が Salesforce に集約(データの蓄積)され、複数の手段で連絡を取る必要がありません。履歴書や職務経歴書の登録もマイページから行っていただければ、Salesforce だけで管理されるため、個人情報の取り扱いも簡略化され、漏洩リスクも低減されました。
まさに DX が実現した 1 プラットフォーム化ですね。
便利さも大切ですが、個人情報保護法は年々厳しくなっているので、こうした法的観点への対応も、上場に向けた取り組みとして適切なアプローチであったかと思います。これらの機能は、すべてのお客様や社内メンバーが利用されているのでしょうか?
残念ながらそうではありません。やはりお客様がメールや電話を希望されることはありますので、ご希望に応じて使い分ける必要はあります。また、一部の機能は最近実装された機能のため、これから本格的に利用する社内メンバーはいます。
ここ数年、DX などと騒がれていますが、IT はあくまでも手段ですので 100% が自動化することもないかと思います。ですが、こういった取り組みをいち早く取り入れ、素早く業務に組み込むことで、他社よりも早く、より良いサービスを提供できるため、少しずつの組み合わせで競合優位性が保たれるのではないかなと思っています。正直、当社レベルでシステムが揃っていると、採用にもいい影響があります。経験者ほど便利なツールがある環境で働くメリットを理解されてますからね。
IT は手段である、その通りですね。費用対効果を考え優先順位がつけられると、素晴らしい武器になるのだと思っています。また仰るように、採用に貢献できる点も、良い DX 戦略として評価される1つのポイントなのだと思います。
IT 担当無くてして、社内環境に大きな変化が生まれた
これまで多くのシステムや社内 IT に携わってきた上田さんが思うに、リフトオフのサービスは、どのような企業に向いていると思いますか?
そうですね、特にオススメなのは過去に IT、DX の取り組みに苦い経験がある会社さんなのかなと思いました。次に依頼する会社さんが自社にあっているかどうかという観点で選定すること難儀なことでないでしょうか。何度か失敗していると、選定の勘所も分かってきますが、それまでの時間は惜しいものです(実体験)。業界や業務への理解がないとせっかく完成した成果物も修正意見が多かったり、実際に使う現場へのストレスは膨大です。
ですので、もしこれまで失敗に近しいご経験をお持ちであれば、一つのショートカットになるのではないでしょうか。「何からはじめたら良いのか分からない」と思われる会社さんであれば、尚更おすすめです。まだまだこれからではありますが、当社では専任の IT 担当者無くして、社内環境が大きく生まれ変わりました。
ありがとうございます。仰るとおり、何度か連続して DX 戦略に失敗してしまうと「もうこのままで良いのでは…」と考えられる企業様も少なくないようです。当社としては、中長期視点でご支援できることが、Win-Win であると考えておりますので、お褒めいただいた点はこれからも伸ばして参りたいと思います。 本日は大変ご多用の中、インタビューにお付き合いいただきまして、ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
こちらこそありがとうございました。これからもサポートに期待しております!
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